Topics

2024/ 9/27
EBPMの国際プロジェクト報告書(2024)日本語版を宮木教授らが監訳し、総務省のサイトにて無償公開されました
2024/ 5/29
EBPMの国際プロジェクト「Global Commission on Evidence」作業部会に宮木教授らが日本人として初めて参加しました
2023/12/16
毎日新聞社「今年の3冊」(大阪大学 大竹文雄教授選)宮木教授の新刊が選定されました
2023/11/ 9
12/6開催OECD PISA最新結果 アジア・ローンチ・シンポジウムを主催します。受付開始しました
2023/ 3/29
宮木幸一特任教授が日本経済新聞出版から新刊書籍「意思決定理論とEBPM」を上梓しました
2023/ 1/ 1
京都大学大学院の宮木幸一客員教授が、公共政策大学院の特任教授として着任しました
2022/11/24
鈴木 寛 教授がモデレーターを務めた日経Well-beingシンポジウムの記事が日本経済新聞に掲載されました
2022/10/ 7
鈴木 寛 教授がモデレーターを務めた日経Well-beingシンポジウム「Well-being政策のこれから」が日経ホール(東京都千代田区)にて開催されました

東京大学公共政策大学院ウェルビーイング研究ユニット

 東京大学法学政治学研究科と経済学研究科は、2004年4月より、公務員をはじめとする政策の形成、実施、評価の専門家を養成する大学院修士課程(専門職学位課程)として「公共政策大学院」を創設しました。この大学院は、同時期に創設された法科大学院と同様、新しく専門職の人材を養成することを目的として設けられた専門職大学院の一つです。法科大学院が法曹の専門家の養成を目指しているのに対し、この公共政策大学院は、広く公共政策に関わる政策プロフェッショナルの養成を目指しています。

 2021年6月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針にて、「政府の各種の基本計画等について、Well-beingに関するKPIを設定する」とされたことに象徴されるように、GDPのような従来の経済統計に加え、社会の豊かさや生活の質、満足度、プレゼンティーズムといった主観的なアウトカム指標に注目していくことの重要性が増し、関係府省庁が連携してWell-beingに関する取組を推進していく流れができつつあります。

 公共政策大学院では2022年1月より、公共政策学・教育政策・医療イノベーション政策・スポーツ政策・政策形成論・熟議などを専門とする鈴木 寛 教授をユニット長として、ウェルビーイング研究ユニットが設立されました。

赤門と国際学術総合研究棟

 同大学院の鈴木 寛 教授や宮木幸一シニアリサーチフェロー(京都大学大学院客員教授)らがデータ解析をしてきた内閣府幸福度調査の個票データがあり、内閣府のWell-beingダッシュボードに準拠した11項目(OECDの11項目にならったもの)の満足度に関する国民標準値(日本全体を偏りなくサンプリングした集団の平均値や分布)が得られているため、それらを活かして多くの方に自分自身のウェルビーイング(今後も随時更新されていく最新版の内閣府Well-beingダッシュボード準拠)と国民標準値をフィードバックするなどして内閣府のダッシュボードやその研究成果を多くの方に知っていただき、ウェルビーイングへの関心を高めてもらうことを目標の一つとしています。

 またOECDによるBetter Life Indexを参考に作成された内閣府Well-beingダッシュボードを用いた調査結果を見ると、ウェルビーイングを構成する複数の因子の中で、「つながり」の満足度が日本人において低いことが特徴的です。特に高齢化や過疎化が進展している地方自治体においては、都市部から定期的に訪れたり地域にかかわる仕事をするような「関係人口」を増やしそのつながりを維持して経済を活性化すること、また地域住民の中での「つながり感」(Well-beingダッシュボードでのつながり満足度)をはぐくみ、住民のウェルビーイングを高めることは重要な課題となっています。

 こうした観点から、つながりを促したり、「つながり満足度」を高める介入方法を検討し、その効果測定を客観的に行って真に有効な介入interventionを明らかにしながら、各種企業とも協力しながらそうした介入の社会実装を通して、国民のウェルビーイングを高めていってもらうことに寄与できればと考えています。